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「鬼滅の刃」考

映画「鬼滅の刃」は、公開3日間で46億円超え、記録的大ヒットとなっています。

社会現象にまでなったものは、一応知っておきたいと、
テレビ放映した第1集、第2集を観ました。

ヒットした理由は、裏打ちされたメソッドによる構成・登場人物など
いろいろあるでしょうけれど、
素人の私なりの観点で分析してみました。

大正ロマン

時代は日本の大正時代で、生活風景や衣装などに時代のエッセンスを取り入れています。
それらのアイテムは、今の子どもたちにとって、おそらく新鮮に感じるものでしょう。

具体的には、
主人公・竈門 炭治郎(かまど たんじろう)の着用する市松模様の羽織、花札のような耳飾り、
妹・禰豆子(ねずこ)を入れた千両箱のような木箱。

30~40年前にも、大正ロマンのファッションが流行しました。
大和和紀の「はいからさんが通る」を始めとして、
着物も大正浪漫風のデザインが人気でした。

大学生の卒業式といえば、袴に矢絣、大きなリボンの髪飾り、というのが定番。
「はいからさんが通る」の世界です。

大正浪漫

時代は巡って、また大正ロマンに対する憧れが人々をとらえているのかもしれません。

おどろおどろしさ

「鬼滅の刃」にはホラーともいえる残忍さおどろおどろしさが物語の中核にあります。
ホラー苦いの私がなんとか我慢できる程度で、
その寸前のところで止めているのが絶妙です。

それ以上やりすぎると、小さい子には見せない方がよい、
という評価になってしまいそうです。

さらに、ホラー感を薄めているのが、家族愛仲間愛といった心温まる場面と、
くすっと笑えるような個性あふれるキャラクターたちです。

しかし、人が血が垂れるほど縛られたり、断首されたり、というシーンは
強烈に記憶に残ります。
アニメとはいえ、目をそむけたくなります。

家族愛、仲間愛というオブラートに包まれていても、
真髄はホラーであることに変わりありません。

横溝正史の世界観

「ホラーは苦手でも惹かれる恐怖」という点で、横溝正史を思い出します。
「獄門島」や「本陣殺人事件」などを書いた小説家です。
私はホラーは苦手なのに、横溝正史の世界観は好きでした。
古い風習が残る近代日本を時代背景としているところも「鬼滅の刃」と共通しています。

横溝正史の作品は、ただの推理小説でなく、
怨念やしきたりなどおどろおどろしさを絡めている点で、
他の作家のものとは違う独特感があります。
現代に失われたものに、新鮮さを感じたものでした。
怖いながらも薄暗い中に引き込まれていきました。

「鬼滅の刃」も、大衆の「怖いもの見たさ」のギリギリの線を攻めながら、
たまに、ギャク的面白さや心温まるシーンを散りばめて、
人々の恐怖感を中和させつつ、脱落しないよううまく展開しているような感じがしました。

剣術の神秘性

剣術や柔術などは、流派が多く存在し、部外者はその正体がわからないがゆえに、神秘性を感じます。
国内外問わず、武術をテーマにした多くの小説・映画が存在します。
たとえば、時代背景といい、剣術といい、似ているもので「るろうに剣心」があります。
この作品もヒットしました。
単に、戦闘というだけでなく、限りなく実在に近い武術を取り扱うことで、
リアルさを演出できています。

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